コンサート


Metamorphorses 〜変身物語〜

     バロック音楽の中のギリシャの神々(音楽と朗読)


岩田明子(ソプラノ) 岩田耕作(チェンバロ) 小幹子(朗読)
神野和美(リコーダー)  野田よう子(リコーダー[賛助出演])

2006年12月21日(木曜日)19:00開演
桜坂セント・マルティーヌ教会
地下鉄七隈線 桜坂駅 徒歩1分
専用駐車場あり
TEL092−734-3800

入場料 一般     前売り3000円 当日3500円
    高校・大学生 前売り2000円 当日2500円
    中学生以下  無料

お問い合わせ:ハルモニー・セレスト(岩田)
TEL/FAX 092−471−3987
E-mail:i@hc.fantasia.to
http://hc.fantasia.to


変身物語は古代ローマの詩人、オウィディウスによって書かれた詩集です。

ギリシャやローマの神話を元に、人間を初め、あらゆる木や花、動物などがどのように生まれたかを描いています。

神々、ニンフ、英雄といった、ギリシャやローマ神話でおなじみの登場人物は、バロック時代の音楽の中にもよく出てきます。

なかでも、恋の矢を持つキューピッド、音楽の神アポロンや9人の女神ミューズ、竪琴の名手オルフェオは彼らのお気に入りでした。

今回はフランス・バロック音楽の演奏とともに、神話の神々の物語の朗読を併せてお楽しみください。


               ☆プログラム
            第1章
          ミューズ(Q1)たちの宴(プロローグ)
ヘシオドス(ギリシャ紀元前700年ごろ)の「神統記」より
    「序章」(朗読)
ドゥ・ラ・ヴィーニュ de la Vigne ?
  ソナタ(Q2)第1番より
    「優雅に Gracieusement」
J.P.リュリ J.P.Lully 1632-1687
  歌劇「プシケ Psyche」より
    若き日々に賢くいられるでしょうか Est-on sage dans bel age
ドゥ・ラ・ヴィーニュ de la Vigne ?
  ソナタ第1番より
「タンブーラン Tambourin」


            第2章
          いたずら好きなキューピッド(Q3)
M.ランベール M.Lambert 1610-1696
  宮廷歌曲(Q4)「日ごとあなたのつれなさが Vos mespris chaque jour」
F.クープラン F.Couperin 1668-1733
  第6オルドル(Q5) Sisieme ordreより
    「甘い憔悴 Les langueurs tendres」
M.ランベール M.Lambert 1610-1696
  宮廷歌曲「私の歌によって Par mes chants」


            第3章
          弓比べアポロン(Q6)対キューピッド 
          あるいは 月桂樹になったダフネ(Q7)
J.P.ラモー J.P.Ramaeu 1683-1764
  クラヴサン曲集1724-1731より
    「つむじ風 Les Tourbillons」
A.カンプラ A.Campra 1660-1744
  カンタータ(Q8)「ダフネ Daphne」
J.P.ラモー J.P.Ramaeu 1683-1764
  クラヴサン曲集1724-1731より
    「ミューズたちの語らい Entretien des muses」


            第4章
          楽人アリオン(Q9)
F.クープラン F.Couperin 1668-1733
  第2コンセール(Q10) Second concert より
    「プレリュード Prelude」
A.カンプラ A.Campra 1660-1744
  カンタータ「アリオン Arion」
F.クープラン F.Couperin 1668-1733
  第2コンセール Second concert より
    「アルマンド Allemande」

            第5章
          世界を織り成す光と闇(エピローグ)
M.ランベール M.Lambert 1610-1696
  宮廷歌曲「憩い、木陰、そして安らぎよ Le repos, l'ombre, et silence」
F.クープラン F.Couperin 1668-1733
  第6オルドル Sisieme ordreより
    「神秘的な動揺 Les barricades misterieuses」
M.A.シャルパンティエ M.A.Charpentier 1643-1704
  牧歌劇[花咲く芸術 Les arts florissants]より
    メニュエット「始まりの美しさの中に現れた Parois dans tabaute premiere」


     解説 Q&A
(Q1)ミューズとは誰ですか。

(A)文芸をつかさどる9人の女神たちです。
文芸には常に音楽が伴うため音楽の女神でもあります。
ちなみにミューズは英語名で、ギリシャ名ではムーサといいます。
英語の音楽を意味するミュージック music はミューズ muse からきています。
ミューズたちはパルナッソス山に住み、オリンポスでの神々の宴の際には、学芸の神アポロンに指揮されて歌と踊りを演じます。


(Q2)ソナタとはどういう意味ですか。

(A)ソナタ sonata は、イタリア語の「鳴らす」 sonare を名詞化したものです。
つまり楽器のための作品という意味になります。
バロック時代には特にヴァイオリンやフルートなどのメロディー楽器のために書かれた作品にこの呼び名が使われました。
ちなみに古典派以降のピアノソナタなどでいうソナタ形式とはまったく関係ありません。

(Q3)キューピッドとはどんな神様ですか。

(A)キューピッドはギリシャ名ではエロス、ラテン名ではクピドあるいはアモルと呼ばれています。
キューピッドは英語名です。男女間の愛、中でも恋心をつかさどる神様です。
初めは世界の最初から存在していた神様とされていましたが、後には愛の女神ビーナスの息子とされました。
それと同時に姿は子供で、背中には翼を持ち、手には弓を持っている神として描かれるようになります。
彼が射る矢に射貫かれたものは誰でも、恋に落ちてしまいます。
また、キューピッドが目くらめっぽう矢を射ることから、後の時代にはさらに、盲目であるといわれるようになりました。


(Q4)宮廷歌曲とはどういう歌曲ですか。

(A)宮廷歌曲「エール・ドゥ・クール air de cour」はフランスで16世紀後半から17世紀前半にかけて、上流階級の間で好まれた世俗曲の一種です。
多くの場合は一人で歌うモノディー形式で、リュートなどの伴奏を伴いました。
歌詞の内容を伝えることの大切さを重要視したため、複雑なポリフォニーや、技巧的な旋律を避け、素朴で単純なメロディーで歌われます。


(Q5)オルドルとはどういう意味ですか。

(A)オルドル ordre はフランス語で「順序、順番」という意味です。
英語のオーダー order にあたります。
いくつかの曲の集まりにソナタや組曲ではなく、オルドルという名前を使っているのはフランソア・クープランだけです。
組曲 suite という言葉をあえて使わなかったのは、これらのいくつかの曲の集まりは組曲ほど組織だったものではなく、単にいくつかの曲が並べて楽譜に収めてあるという意味だと思われます。
言い換えれば、これらの曲は組曲ほど続けて演奏する必要性はないということです。


(Q6)アポロンとはどんな神様ですか。

(A)オリンポスの12柱の一人に数えられるアポロンは、ギリシャの神々の中でも最強の神の一人といえます。
アポロンがつかさどる分野は非常に多く、弓術、予言、学芸、医術などがあります。
後には太陽神ヘリオスとも混同されて、太陽を馬車で導いて、昼をもたらすのもこの神の仕事とされました。
青年の姿で描かれ、若さや力強さの象徴とされています。


(Q7)ダフネとは誰ですか。

(A)ダフネは変身物語に出てくるニンフの名前です。
ある日恋の神キューピッドが弓矢で遊んでいると、これもまた弓の名手として名高いアポロンがキューピッドをあざ笑ってこう言いました。
「いたずら好きの坊やさん、きみはその弓矢で何をしようというのか?それを肩にかけるのは、この私にこそふさわしい。
私なら野獣や敵に確かな傷を与えることができるが、君の矢は人に恋心とやらいう奇妙なものを沸き立たせるだけではないか。」
この挑戦を受けてたったキューピッドは、矢筒から2本の矢を取り出します。
1本は金でできていて、矢の先がとても鋭く、これは恋心を掻き立てる力を持っています。
キューピットはこの矢でアポロンを射抜くと、たちまち矢は骨を貫いて、髄にまで届きました。
もう1本の矢は鉛でできていて、矢の先も鋭くはなく、これは恋から逃げようとする気持ちを起こさせます。
キューピットはこの矢を川の神ペネイオスの娘、ダフネに向けました.。
たちまちアポロンはダフネに恋してしまいますが、アポロンがどんなに彼女を追いかけても、ダフネは彼から逃れようと森の中を逃げ回るのでした。
追いつ追われつするうちに、二人はダフネの父ペネイオスの川岸に出ました。
その頃には二人の距離はぐんぐん近づき、もう少しでアポロンの手がダフネの後ろ髪を掴みそうになりました。
ダフネは父に助けを求めてこう叫びました。
「この身の美しさが人に恋い慕われる原因になるのだったら、どうか私の姿を別のものに変えてください」こう言うが早いか、彼女の体は硬い皮で覆われ、髪の毛は葉に、腕は枝に、足は根に変わってしまいました。
アポロンが追いついたときには、そこには一本の月桂樹の木が立っているだけでした。
その木にむかって、アポロンは言いました。
「おまえは私の妻にはなりえないのだから、せめて、私の木になってもらうとしよう。」
こうして月桂樹は、アポロンの頭や竪琴を飾る木となり、その後ローマの将軍たちの頭を飾る木ともなったのです。


(Q8)カンタータとは何ですか。

(A)イタリア語でカンタータとは、単に「歌もの」といった意味になります。
カンタータには大きく分けて、教会カンタータと世俗カンタータがあります。違いを簡単に言えば、宗教(キリスト教)的な内容の歌詞によるものが教会カンタータ、それ以外のものが世俗カンタータです。
ここで気をつけなくてはいけないのは、宗教とはキリスト教のことで、たとえ歌詞の中にギリシャ神話の神様が出てきても、それは世俗カンタータなのです。
今回演奏するダフネとアリオンはいずれも世俗カンタータです。
世俗カンタータのほとんどは3〜4曲のアリアとレチタティーヴォからできています。
たいていは一人の歌手によって歌われ、これら数曲のアリアとレチタティーヴォで一つの物語になっています。
いうなればオペラのミニチュア版といった感じです。


(Q9)アリオンとは誰ですか。

(A)アリオンはギリシャ神話に出てくる楽人です。
コリントスの王に仕えていたアリオンは、音楽の修行を積むために旅に出ます。
あるときシチリアで行われた音楽の大会で優勝したアリオンは、賞金を手にして、コリントスへの帰途に着きます。
ところが、乗り込んだ船の水夫たちは海賊で、彼らはアリオンを海に突き落として、彼の財産を奪おうとします。
観念したアリオンは言いました。
「せめて命が尽きる前に、私の歌声と、リラの音が、最後の音楽を奏でることをお許しください。」
その音楽はあまりにも美しく、海を渡る風や波も動きを止めて、聞き入ったほどでした。
しかし、水夫たちの心はかたくなで、ついにアリオンを海に突き落としました。
しかし、アリオンの音楽に引き寄せられたイルカがアリオンの体を受け止めて、故郷のコリントスへと連れ帰ったのです。


(Q10)コンセールとは何ですか。

(A) フランス語のコンセール concert は英語読みするとコンサートになります。
複数の楽器による演奏のために書かれたこの作品にクープランはコンセールというタイトルを付けました。
ソナタと同じように、コンセールは単に合奏曲といったような意味で、それ以上深い意味はありません。


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